11月支部鑑定会
今月も無事に入札鑑定会を開催する事が出来、多くの皆様にご参加頂きました。
鑑定刀
1号 短刀 銘 南都住藤原包貞
2号 脇差 銘 備州長船盛光
3号 脇差 銘 備中国水田住大与五国重
4号 刀 銘 相州住助広
5号 脇差 銘 平安城藤原弘幸
鑑賞刀
刀 銘 正清(山城 / 備前)
刀 銘 兼宣作(日本刀関七流所載 山田英研師の”差し込み研磨”がみられる刀)
太刀 銘 濃州正光(蜂屋関の祖 「室町期 美濃刀工の研究」等所載)
小柄 銘 山崎一賀(花押)
※「太刀 銘 濃州正光」は今年の岐阜県支部さん製作の全身押形カレンダーに選ばれた太刀。
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1号 末手掻包貞
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2号 長船盛光
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3号 水田国重
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4号 末相州助広
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5号 平安城弘幸
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鑑賞刀 兼宜作
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鑑賞刀 濃州正光
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鑑賞小道具 小柄 山崎一賀
以下、林泰行講師の解説文
1号 末手掻包貞
難物。
大和伝の特色も吉野町期に入ると次第に薄れはじめ、室町期に入ると沸もさほど強くなくなり、匂い出来のものも作られる。
わずかに地肌に柾気が混じり直刃調の波紋に食い違い刃が混じるといった出来合いになる。
帽子の先端がわずかに履きかけて沸えているのが見て取れる。三つ棟。
2号 盛光
映りの出ているところから、まず備前を考える。
備前とみて蝋燭風の帽子と丸いラィンの刃が多く混じるのは応永の盛光に多い。
康光の場合は尖った刃が多く混じる。棒樋の小縞部分に連れ樋を屈曲して添わせるのは応永備前に多い。
師光(他に倫光説)の孫にあたる修理亮盛光か。
3号 水田国重
大月与五郎と称す。新刀と観て荒沸の作は備中水田か薩摩に多い。
水田の細い沸筋と(薩摩の太い金筋)の違いを観る。
また、薩摩相州伝には、地に煙込む尖り刃が混じることが多い。
水田鍛冶は、後月(しつき)郡荏原(えばら)、英賀郡砦部(あざえ)、英賀郡水田の三郷に分槌している。
水田国重には棟焼を多く観る。
4号 末相州助広
末相州の初期の助広の作か。美しい太刀姿は、片手打ちの打ち刀の姿。
時代を経ても相州の重ね彫の草の倶利伽羅龍の深い彫物が力強さを感じさせる。
刀身の中程より上の出来は皆焼になっている。
独鈷のぐるりが角になっているのは相州の彫に多い。備前彫は独鈷が丸くなる。
相州住助広は彫の上手とされている。
5号 平安城弘幸(堀川)
相州貞索をねらって浅い小湾れを焼いている。
身幅広めの無反りの姿から桃山期と捉えてやや肌立ちざんぐりとした肌合いを堀川物とみて
その中で波紋の高低が少なくおとなしい作風は弘幸に多い。
三つ棟。後に丹後守を受領する。後に広幸と改銘。古来「ひろよし」と読み習わす人多し。
国広門で、国安と弘幸のみ茎の鑢は極く浅い勝手下がりとなり、他は、大筋違いとなる。(重要刀剣)
鑑賞刀 正清
石堂右近正俊に近い作風。
日刀保の保存鑑定には山城国とあるも、一方、刀美314号(S58.3.10)に、
岡山城下にて鍛刀されたと思しき二字銘正清について発表されています。
この工の出自移動については謎。
小柄 山崎一賀
京金工のなかでも数少ない金工。赤銅魚子地に高彫色絵の濃密な工法で人物図を彫る。
本図は竹取物語の1シーン、貴人が媼(おうな)を尋ねる、その傍らにかぐや姫が控える。
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林泰行講師による鑑定刀解説の様子