秋の研修旅行「さのびととくび 名刀のいろは」

今回の京都府支部研修旅行では、静岡県三島市の佐野美術館を訪れ、開催中の展覧会「さのびととくび 名刀のいろは」を鑑賞しました。
「さのび」は佐野美術館、「とくび」は徳川美術館を指し、両館が所蔵する名品に個人蔵の優品を交えた、見応えのある展覧会です。

美術館到着後別室にて、学芸員の志田理子先生に展示内容について大変詳しい解説をしていただきました。
今回の展示は、「日本刀の美 ~かたち~」「日本刀の美 ~地鉄・刃文~」「日本刀と武士」の三章で構成され、「日本刀の源流」「日本刀の成立」「日本刀の黄金期」「形の大変革」など、日本刀の歴史や姿の変遷をたどるとともに、地鉄や刃文の美しさ、武士と日本刀の関わりなど、さまざまな視点から日本刀の魅力を紹介する内容となっています。
また、各章の随所には「ひといき」と題したコーナーが設けられ、「変わった形」「素材の研究」「研ぎ」など、興味深いテーマが取り上げられています。志田学芸員の解説では、主にこれらのテーマを中心に、展示の意図や作品の見どころなどを順を追って丁寧にお話しいただきました。

解説終了後は自由鑑賞となり、参加者それぞれが展示室を巡り、思い思いに作品を鑑賞しました。
数々の名刀が並ぶ中でも、やはり国宝の刀剣は圧巻で、その出来の素晴らしさに圧倒され・・・。

また、佐野美術館の刀剣展示に特化した照明設備は特筆すべきもので、刃文はもちろん、通常の展示では確認しづらい映りも容易に見て取ることができます。例えば平造りの刃に沿って出現する棒映り状のものでは、焼き出し付近の映り発生個所から、帽子の返り付近に到達する映りの全体を、ほぼ一目で一気にはっきりと確認出来ます。これほどまでに刃文や映りを明瞭に鑑賞できる展示施設は、ほかに思い当たりません。
名刀の素晴らしさに加え、その魅力を十分に引き出す展示環境にも深く感心しました。

最後になりましたが、お忙しい中、貴重なお時間を割いて詳しい解説をしていただきました志田理子学芸員をはじめ、佐野美術館の皆様に厚く御礼申し上げます。